犬も人間と同じように日々ストレスを感じています。
野生の犬が犬本来の自然な生活を送っているのだとしたら、人間に飼われている犬は人間に合わせた生活を余儀なくされているため、野生の犬とは違ったストレスを感じていることでしょう。
犬の問題行動の原因は、人間と暮らす上での様々なストレスに起因している場合が多いです。
犬は人間と違い「ストレスが溜まった!」とは言ってくれません。
日々の生活の中でストレス解消法を取り入れてみましょう。
まず始めにやってみよう
飼い主さんのストレス解消しよう
人間のストレスを犬は敏感に感じ取っています。
「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」という言葉がありますが、これは大きな間違いです。
家族のケンカに犬が割って入るという経験をされた方も多いと思いますし、反応しない子も表に出ないだけでストレスになっています。
飼い主さんがストレスを抱えたまま犬に接すると、犬も影響される可能性は高いです。
飼い主さんのストレスレベルが高い時はまずご自身のストレスを解消してから、余裕をもって犬に接してあげましょう。
病気やケガを確認する
犬自身に病気やケガがある場合、いくらストレスを解消する対策をしても全く無意味だったり、かえって逆効果になりかねません。
老犬であっても若い子であっても日々体を触って異変がないか、元気はあるか、食事、水の取り方、便、尿に変化がなかを確認してあげてください。
運動系のストレス解消法
十分に散歩をしてあげよう
「散歩」は「ゴハン」と並んで犬の日常の嬉しい2大イベントです。
単に運動というだけではなく、いろいろな匂い、音、すれ違う人、他の犬などの刺激がストレス解消につながります。
時間の目安
時間の目安としては、小型犬の場合は20〜30分、中型犬は30〜40分、大型犬の場合は40〜60分程度ですが、あくまで目安です。
犬種や年齢、個体差などで大きく変わってきます。(チワワもジャックラッセルテリアも小型犬ですが、運動量にはかなり差があります。)
愛犬の様子を見つつ時間を設定し、室内でのボール遊びなどの運動も一緒にやってみてください。
いつもと違う場所を散歩してみよう
毎日同じ散歩ルートを使うのも悪いわけではありませんが、たまにはいつもと違うルート散歩して、犬に刺激を与えてあげましょう。
速度に変化をつけてみよう
ずっと同じペースで歩くだけではなく、飼い主さんが走ってみたり急に止まったりして変化をつけてみましょう。
コロコロ変わる飼い主さんのペースに犬が楽しんでついてこれるようになれば、ストレス解消にも繋がります。
ドッグランを活用してみよう
日々の散歩は時間がなかなか取れなくて少なめになっているような場合であれば、休日にドッグランを活用してみましょう。
思いっきり走って運動ができることはもちろんですが、他の犬とのふれあいも良い刺激になります。
犬が苦手な子の場合
臆病で犬が苦手な子の場合は、無理に遊ばせることは避けてください。
若くてヤンチャな子に追い掛け回されたあげく、その恐怖心が強く残り別の問題行動を引き起こす可能性があります。
他に犬がいる状況で一人遊びが出来ていればそれでOKですし、性格が穏やかな子や他の犬に興味がなくなってきた老犬、同じように犬があまり得意ではないタイプの子と遊ばせてあげてください。(知り合いにそういったタイプの犬がいなければSNSで探してみましょう。)
ドッグスポーツをやってみよう
犬の障害物競走である「アジリティ」やディスクをキャッチする「フリスビー」など、飼い主さんと一緒にできるスポーツもオススメです。
運動不足解消はもちろんですが、飼い主さんと一緒に楽しくスポーツをすることで信頼関係を深める効果もあります。
体力があり余っているタイプの子にはもちろんオススメですが、臆病なタイプの子も「挑戦する」→「出来た」という成功体験を積んでいくことで犬自身に自信をつけてあげることができます。
刺激系のストレス解消法
一人遊びをさせてみよう
一人遊びが出来るようになれば飼い主さんの負担も減りますし、留守番の時の犬のストレスも減る可能性があります。
(一人遊び用オススメおもちゃ)
ただし飼い主さんが全く遊んでくれないというのも、犬にとっては寂しいものです。
「一人遊び」と「飼い主さんと一緒に遊ぶこと」の両方を取り入れてください。
(掘ることが好きな子はこちらの記事を参考に)
掘るのが大好きな わんこ向け穴掘りおもちゃ「ホリホリ」を作ってみました。これで思う存分掘らせてストレス解消させてあげましょう。掘らない子も遊べます。作ってみよう!材料:段ボール、新聞紙、いらないタオル、いらな[…]
知育玩具を使ってみよう
散歩などの身体的なストレス解消法に加えて、頭を使った精神的なストレス解消法も取り入れてみましょう。
知育玩具は簡単には取り出せないような仕組みになっているので、犬の忍耐力をつけるのにも効果的です。
遠出をして刺激を与えてあげよう
最近は犬と一緒に泊まれるホテルやドッグカフェなどが増えてきました。
犬と一緒の旅行はとても楽しいものです。
知らない場所へ行くことは犬にとって良い刺激になります。
旅行にはなかなか行けないという場合でも、車に乗って近くの公園へ行ったり、散歩をちょっと長くして隣町を散策してみたりと、新しい刺激を取り入れる工夫してみてください。
癒し系のストレス解消法
落ち着いて過ごせる場所を与える
犬が一人で安心して過ごせる場所を確保してあげましょう。(サークル、クレートなど)
クレート(ハウス)を使っていない場合は是非クレートトレーニングをしてみてください。
クレートトレーニングとは「飼い主さんの指示によって犬がクレートに入り、落ち着いて過ごせること」を意味します。(「ハウスのしつけ」とも言います。)
車での移動やホテルの宿泊の時、動物病院に入院する時や災害時など、クレートに慣れていれば落ち着いて過ごすことができます。
また、気が小さく神経質な子ほどクレートはオススメです。
安心できる場所を確保することで、問題行動が減る可能性もあります。
マッサージをしてみよう
マッサージをすることでの疲労回復や血行促進に加えて犬と飼い主さんとのスキンシップになり、信頼関係を深める効果があります。
また、体のいろいろ場所を触ることで病気やケガの早期発見にも繋がります。
アロマを使ってみよう
人間もアロマを使ってリラックスことがありますが、犬にもリラックス効果があるとされています。
アロマポットやアロマディフューザーを使って部屋にいい香りを広げてリラックスしてみましょう。
アロマオイルはサンダルウッド、プチグレン、ラベンダー、オレンジなどが良いとされています。
ただし人間と同様に犬にも匂いの好みがあります。
使用する前にティッシュなどにオイルを垂らして犬に嗅がせてみて、好きなにおいを確かめましょう。
・好きな匂いの場合:匂いをもっと嗅ごうとする、舐めようとする、自分から寄ってくる
・嫌いな匂いの場合:嫌な顔をする、顔を背ける、くしゃみをする
好きな匂いのアロマを少量から様子を見つつ、使ってみてください。
犬と飼い主さんの共通の好きな匂いが見つかれば、一緒にリラックスすることができます。