古典的条件付け
無意識的な行動や反射的な行動を、 犬が学習するしくみのことをいいます。
いわゆる「パブロフのイヌ」ですね。
イヌに餌を与える時にベルの音を聞かせていると、餌を見せなくてもベルの音だけでイヌがよだれを垂らすようになります。
他にも
・子犬のころに大型犬に咬まれた→大型犬を恐れるようになる
・動物病院に行ったら注射をされた→動物病院に行きたがらない
・買い物袋の「ガサゴソ」という音がしておやつがもらえた→「ガサゴソ」という音だけで犬が寄ってくる
・インターホンの音がして敵かもしれない人間がやってきた→インターホンの音に吠える
など。
人間でも梅干を見た時(梅干という文字を見ただけでも)唾液がでるのは、
この「古典的条件付け」によるものです。
また「犬のしつけ・褒め方と叱り方のコツ!」の回で暴力は絶対NGと書いていますが、
犬を叩くこともこの「古典的条件付け」で学習してしまうことがあります。
例えば、犬が甘噛みをした時叱って叩いたという場合、
人間は「甘噛みをやめて欲しい」と思っているだけなのですが、
犬がなぜ叩かれたのかを理解できない場合、
人間の手=「嫌なもの」
と認識してしまうことがあります。(ハンドシャイといいます。)
そのため
・人間の手を怖がるようになった
・手を近づけるたびに咬むようになった
など、飼い主さんの思惑とは全く別の行動を示すことがあるからです。
オペラント条件付け
オペラント条件付けとは、犬や人を含む多くの動物が報酬や罰によって自発的に特定の行動をするように学習することです。
特定の行動をした結果、環境がどう変化したかによって、その後の自発的な行動の頻度が変化します。
オペラント条件付けは4つのタイプに分類されます。
・正の強化:強化刺激出現による強化(良いことがあったのでやるようになる)
・負の弱化:強化刺激消失による弱化(良いことががなかったのでやらないようになる)
・正の弱化:嫌悪刺激出現による弱化(嫌なことががあったのでやらないようになる)
・負の強化:嫌悪刺激消失による強化(嫌なことがなかったのでやるようになる)
用語解説
強化:行動頻度が高くなること
弱化:行動頻度が低くなること(一般的には罰と表現しますが、ここでは弱化と表現しています。)
強化刺激(好子、強化子):良いこと
嫌悪刺激(嫌子、罰子):嫌なこと
正の:強化刺激or嫌悪刺激がある
負の:強化刺激or嫌悪刺激がない
表にするとこうなります。